二十四節気
立春(りっしゅん) 2月4日~2月18日頃
はじめて春の気配が現れてくる日。春立つ日。
伊勢の空は青く、陽射しは暖か。けれど風は時おり、強く。春一番が吹くのは、そろそろ。旧暦の新年を守って、伊勢の各地で厄除けの神事が行われます。
雨水(うすい) 2月19日~3月4日頃
暖かさに、雪や氷が解けて蒸発し、雨水となって降りそそぐころ。
行きつ戻りつする季節の中で、内宮神苑では、紅梅がほころび始め、早咲きのカンヒザクラも満開。春の息吹を感じます。
啓蟄(けいちつ) 3月5日~3月19日頃
大地も暖まり、冬のあいだ地中にひそんでいた虫がはい出てくるころ。
下萌えがいっせいに始まった野山は、土が匂い立ち、春を告げる花々が咲き始め、五十鈴川辺りの桜も枝の先が色づき始めています。
春分(しゅんぶん) 3月20日~4月3日頃
太陽が春分点に達して昼夜の時間が等分になる日。以降昼が長くなる。
伊勢の里山でよもぎやつくし、たんぽぽなどの可愛らしい姿を次々と見つけることが出来ます。草の上も春の日ざしを浴びて暖かくなってきます。この頃初めて燕が飛来します。
清明(せいめい) 4月4日~4月18日頃
草木が芽吹き出してくるころ。
田んぼのれんげが満開です。赤福本店横の新橋からは、五十鈴川を縁取るおよそ200本の桜が見渡せます。
穀雨(こくう) 4月19日~5月4日頃
春の暖かい雨が降って、穀類の芽が、伸びてくるころ。
晴れた日は、新橋下の五十鈴川河川敷で元気に泳ぐ鯉のぼりを見ることができます。神楽祭で舞楽が一般に公開され、神宮にいつもとは違う華やいだ雰囲気が漂います。
立夏(りっか) 5月5日~5月19日頃
夏の気配が現れてくる夏の始まり。
伊勢の平野の田んぼではそろって植えられた苗が五月の風に揺れています。五十鈴川では、カジカガエルの声が響くようになります。新緑が目に眩しく、草木は伸び盛り、大地に生命力がみなぎります。
小満(しょうまん) 5月20日~6月4日頃
万物が次第に成長して、一定の大きさに達してくる。
昼間は少し汗ばむくらいの陽気です。夏日になることもしばしば。さつきが見頃を迎えます。新茶の香りとともに一時の安らぎが漂います。
芒種(ぼうしゅ) 6月5日~6月20日頃
稲や麦など、芒のある穀物の種まきの時期。
雨がよく降ります。本店の軒先から観る神宮の山々もけむっています。雨に濡れた花菖蒲や紫陽花があちこちの庭先でみられます。
夏至(げし) 6月21日~7月5日頃
太陽が最も高くなり、昼間が最も長い日。太陽が夏至点に達する。
しのぎにくい梅雨です。朝から蒸し暑く、少し動いただけで汗がにじみます。6月30日無病息災を願って、伊勢の各所で茅の輪くぐりの行事が行なわれます。
小暑(しょうしょ) 7月6日~7月21日頃
本格的な暑さがはじまるころ。
湿気がまとわりつき、むしむしと暑い日が続きます。もうすぐ梅雨が明けます。梅雨の晴れ間に五十鈴川では、子供達の水しぶきと歓声が上がっています。
大暑(たいしょ) 7月22日~8月6日頃
暑気が至り、最も暑いころ。
じっとしていても、指先まで汗がしたたるような暑さです。太陽が照りつけます。早朝の五十鈴川で水を汲み瀧祭神にお供えをして、家の神棚にお祀りをします。神宮のお膝元の伊勢には今も多くの風習が伝えられています。
立秋(りっしゅう) 8月7日~8月21日頃
はじめて秋の気配が現れてくる日。
残暑は厳しいですがお盆ともなると日暮れは早くなり、朝夕には涼しさが感じられます。年々夏が長くなりしばらくは暑さが続きますが、送り火と一緒に夏はひっそりと終わります。
処暑(しょしょ) 8月22日~9月6日頃
暑さが峠を越えて、後退しはじめるころ。
暑さが止み、いくらか過しやすい気候になりました。伊勢の田園のたわわに実った稲穂の波が揺れています。お盆を過ぎると、刈入れの時を迎えます。台風襲来の頃です。
白露(はくろ) 9月7日~9月21日頃
大気が冷えて、露ができはじめる。
刈入れが終わった伊勢の田園に秋の日差しが降り注ぎます。賑やかに飛び交っていた燕も去り、暮らしの中で秋風が感じられ始めます。
秋分(しゅうぶん) 9月22日~10月7日頃
太陽が秋分点に達して昼夜の時間が等分になる日。以降夜が長くなる。
日ごとに秋めいて過ごしやすくなります。この時期を境に秋の夜長は深まります。お彼岸の仏様へのお供えやお月さまへのお供えに伊勢の名産で感謝をします。
寒露(かんろ) 10月8日~10月22日頃
朝露をふむと冷たく、そぞろ秋が深くなるころ。
涼風が立ち始め野山は秋の色に染まり始めます。伊勢の里で新穀を船に乗せ木遣りとほら貝を合図に五十鈴川を曳いて奉納する「初穂曳き」が行われます。神宮での「神嘗祭」が終わった後、新米を頂きます。
霜降(そうこう) 10月23日~11月6日頃
露が冷気によって、霜となって降りはじめるころ。
五十鈴川の水が冷たさを増し、夜間は寒くなります。柿が色づき、ススキの穂が長け、赤とんぼが飛び交います。
立冬(りっとう) 11月7日~11月21日頃
はじめて冬の気配が現れてくる日。冬立つ日。
神宮宇治工作所のイチョウ並木が色づき始めます。暖かい日差しは消え、地面は冷えて固くなります。冬の始まりです。
小雪(しょうせつ) 11月22日~12月6日頃
わずかながら雪が降りはじめるころ。
日暮れが一段と早くなります。五十鈴川に雁の姿が見られ、川の水が日ごとに冷たさを増していきます。神宮では陛下が収穫された新穀をお供えする「新嘗祭」が古式にのっとり執り行われます。
大雪(たいせつ) 12月7日~12月20日頃
北風が強くなり、雪がしばしば降り出すころ。
雪がちらつく頃です。伊勢でも年迎えの準備をし始めます。伊勢は年中「しめ縄」をかけています。それは旅の人をあたたかくお迎えする心がまえとしての証です。そのしめ縄をかけ替える準備もします。
冬至(とうじ) 12月21日~1月4日頃
冬至の日は1年で、昼が最も短い日。
五十鈴川に架かる宇治橋のちょうど真ん中から、冬至の朝、太陽がのぼります。それを過ぎるとお正月を迎えます。1年中で一番夜が長い時期です。
小寒(しょうかん) 1月5日~1月19日頃
寒さが日増しに厳しくなるころ。
厳しい寒さが続きますが、おはらい町は人通りが絶えません。お伊勢さんの初詣は1ヶ月続きます。伊勢の人々の暮らしは、七草粥や小正月とあわただしさの中にも静かな時間が流れます。
大寒(だいかん) 1月20日~2月3日頃
寒さが最も厳しくなるころ。
伊勢の地でも最も厳しい寒気におおわれます。山の木々の枝は凍り、日の光を受けてきらきらと輝きます。「鬼は外、福は内」節を分ける節分で1年も終わりを迎えます。